お施主様:O様
設計士:髙橋氏
森工務店:大工社長 森
による3人の男の本音トーク
家づくりで楽しかった事
奥様:本当にずっと楽しかった。
O様:ずっと楽しかったな。お金の事考えるまで。はははは
– お客様が来られたので奥様は席を外す –
O様:前の家に住んでいる時に色々と問題が出てきたので
今回の家づくりでは、楽しい未来を想い描けるいい機会になった。
どんなことが子供にとっていいのかな?
とか、本当に真剣に考えた。
そういう意味でいい機会やったと思う。
森:うん、日頃の生活の中では人生の事って
あんまり考えへんしね。
家を建てる時が真剣に考える時かな…
人生を見つめ直すいい機会やもんね。
髙橋氏:Oさんは一回家を買って、そこで暮らしてるから
次の家の為にどうしたらいいのかって言うのは
結構見えていたので、要求がすごく明確で、何を解決する為に
どういう風にしなあかんかって言うのがわかりやすかった。
設計は割と迷わずにスムーズに、この案も一番最初に
もっていったのと、ほぼ同じ。
O様:途中あれもこれもって求めたけど、
結局ファーストプランに戻ったよね。(笑)
やっぱりコートハウスって憧れやったしな。
森:コートハウスは誰もがしたいけど
プライベートが見えすぎたり金額も上がるし、
誰しもができない建て方やもんね。
O様:髙橋さんが設計してくれて、
森工務店の大工さんが素材の使い方も含めて
さらにプラスな方向にもっていってもらったから、
チームでいいものが出来たと思ってる。
チーム信楽やからな!
髙橋氏:はははは、信楽愛がキーワードやもんね!
O様:信楽の事を知り尽くしたチームが作ってくれたから!
設計デザインをするうえで
お客様から要望が多いのは?
髙橋氏:やっぱり住宅の場合は、
旦那さんと奥さんで言ってることが違うことが
多いですね。(笑)
でも今回、Oさんご夫妻は合っているほうですよね。
O様:でも、もともとはリビングの
ワークデスクが長かったんやけど、
そんなん散らかすだけやし。
ってベンチが長くなってね。(笑)
髙橋氏:そう、最初に考えてた旦那さんの書斎が
どんどん小さくなっていくっていうね。(笑)
やっぱり両者の調定というか、一番いい所に落とし込むって言うのが
一番いつも考える所ですね。
どうしても奥様の要望を全部叶えていくと
設備が多くなっちゃったりとか…
でも、今回は奥様がご自分でやっていくことで、
設備は割とライトになってます。
後は、家事動線をどうするとか、今回で言うと洗濯してこちらに物干しにいく、
これをシンプルな動線にするとか、水回りを集約とか、
そのへんをしっかりしておかないと住みにくくなってしまうので
それを考えておくと後は、旦那さんの空間をどうしていくか考えますね。
O様:一番良かったのは、奥さんもこういうテイストが好きだったことと、
やっぱり信楽っていう地域が好きで、
建てるんやったら信楽っていう部分で揉めへんかったのが良かった。
髙橋氏:そやね、テイストで喧嘩にならへんかったもんね。
狸の大きさくらいか。笑
O様:陶器関係やね。(笑)
森:信楽ならではやね。(笑)
このお家で特に印象に残っているところ、
苦労したところは?
髙橋氏:苦労?苦労はやっぱり森さんに聞くのがね… 笑
森:納まりに関してかな、、笑
やったことがないような納まりもあって、考えてる時間が長くなってしまって、
結局時間がかかってしまう。
後半になってくると、こういう感じで納めていくねんやろなって図面を
見なくても分かってくるんやけど。
図面には明確に納まりが出ているけど最初はどうやっていったらいいのかなって
迷う事が多く、結局、納まりには苦労したな。
髙橋氏:この家は全部が表しになるのでね…手刻みのところもあって…
森:今回は見習い時代を思い出すような…
ノコ入れるのに手震えるやつ。
これを失敗したらアウトみたいな 笑
四人に分かれてやったから、四人とも一発目はよいれよ。お前先やれよ。
みたいなね(笑)
今回は全部が全部すべて合わせなあかんかったから… 笑
特に棟上げの時に隅木、谷木を入れるのにためらう場面が。
すべてが表しになるから、棟から軒まで隙間を空けずに木を納めるところ。
たいていの場合は軒から出るところしか見えへんけど、
今回は棟から軒までがすべて見えるから。笑
この家の中で一番好きなところはどこですか?
O様:ちょっと狭い和室とか寝室とか好きかな。
狭くて天井が低いのは前は嫌やったけど、
今回家を建てるのに、実家に住んでて四人で四畳半に
寝ててそれがすごく心地よくて、こんな生活がいいなって思うようになって。
前はズドーンって天井が高い開放的なのがいいなって思ってたけど、その考えが変わったな。
後は、四角の部分部分でインスタ映えしそうなところ 笑
髙橋氏:あー、大工納まりのね!
結構僕もインスタあげてて、評判いいよ。笑
この建物の交差点ですね。
隅木がきて窓がきて、柱があって梁がきてってね。
ここよう納まったなーって。
O様:木の良さをダイレクトに感じることができる家なので、
これからエイジングが進んでいくのも楽しみ。
皆さんが一番大切にされていることは?
高橋氏:日本にあって、日本人が住んで、先祖代々の住み方があって、
その中で、今建っている昔からの建物が一番いい回答なんですよね。
そこから変に木を減らしたものにするんじゃなくて、
なるべくしてなった造られ方っていうのが、
結局一番残って大事にされるんじゃないかな。
つまり日本の大工さんが技術を担ってきて、住んでる周りに材料がいっぱい育っていて、
そこに昔から住んでる人の文化があって、住まい方というか、
そういうのを収れんして形にする、建物や住まい方に無理がないっていう風にしたい。
自然とそうなっているという形にすれば、百年後も使ってくれているんじゃないかな。
そういう気持ちですね。
そうすると景観も合ってくるだろうし、近所の手にいれやすい材料で造るし、
それを修理できるひとも近くにいるし、っていうのがいいと思いますね。
森:自分も今回はすごくいい機会やって、今までお施主さんが思って
いる理想ばっかりを求めていたけど、
髙橋さんやOさんと出会い、それぞれの想いとか信楽にある建物
という意味を大切にしないといけないところを改めて感じるし、
今回の木も、結局滋賀県産じゃないじゃないですか…
そういうところとか、お客さんの思いはもちろん大切やけど材料に関することも
見つめ直さないといけないと思った。
後、信楽に住んでもらいたいとすごく思うけど、ただ今まで、
そうかと言って信楽のものをこんなに使ってきたことはなかったかも。
やっぱり、住みながら、信楽を感じることが大事だと思ったし、改めて、
気づかされた機会になりましたね。
外観も含めて、信楽っていうのを感じる家づくりは大事やと思います。
最近のニーズに合わせ過ぎるのではなく、
信楽の工務店が造る家はやっぱり、こういう家だと今回改めて気づけたし、
出会ってなかったら、今後も流行りを追いかけて白い家ばっかりしていたかも。
だから自分らの強みっていうのを改めて感じたな。
本当に今回はありがたかったなーって思いですね。
高橋氏:森工務店さんは地域に根差して三代目になる
大工さん主体の工務店ですからコレが本来の特性ですよね。
大工さんが三人も常駐している、工務店さんは少ないですから、
だから結構お任せというか、安心でしたね。
O様:やっぱり地産地消で、まず注文するなら、地元の工務店と言う
のが僕の想いやった。うちも家が工務店やったから、大工さんの実力と
いうか、技を披露する場を作りたかった。
それがこのオープンハウスやと思ったし、最近はみんなどのハウスメーカーにしようか
迷う時代やけど、先々の安心感も含めた地元の工務店の良さも、
多くの人に知ってもらいたいしね。
髙橋氏: やっぱり自分で考えて自分で作っている工務店は、
強いと思います。いったん消化しないと手は動かないじゃないですか。
結局、経験なんかも踏まえて自分の手を動かすから、
この現場も意図だけ伝えて後は、お任せします。
みたいのが多かったと思います。
大工さん能力があると、設計者も楽ですしね。笑
O様:大工さんたちの経験豊富なのもいい方向やったしね。
設計を頼むのは高橋さんって決めてたけど、 自分の好みとフィットしていたので、
理想以上の家になって大満足です。
髙橋氏:こういった建物は建築家の中でも少数派と言うか…
雑誌に載るような建物を設計したい建築家は多いですね。
なぜかというと、やっぱり派手さがあるから、でも結局、
実際建っている家って、昔からある普通の形なんですよ。
建築の知識がなくてもいいと感じられるというか、美術作品じゃなくて
民芸がいいのは、なんか手になじんで魅力があるとか、そっち方向が本
当の感情だと思うんで、僕も色んな建築をみてきてアバンギャルドな建物に
憧れてましたけど、結局これにかえってきた。笑
森:近隣の皆さんもこの建物はなにが出来るんやろ。って
気になってたって人が多かったですね。
お店ができんのんちゃうか?とかね(笑)
高橋氏:ハウスメーカーが建てる建物は、カタログ見てコレって言っ
てできるのが今の建物みたいになってきてますからね…そうじゃなくて
工務店の人と一つ一つ打合せをして自分で造り上げていくことが大事な
んですよね。まあ、昔の大工さんはそこまで言う事聞いてくれなかったかもしれませんが。笑
森:髙橋さんの図面はかなり詳細なところまで書かれていて、
うちの大工でも頭かかえてましたけどね。笑
でも経験やニュアンスで出来るんですよね。
O様:施工途中でも柔軟に対応できるは工務店ならではやな。
森:子供部屋を一緒にDIY出来たのもいい思い出になったしね。
心に残る物件でした!