森工務店は１９４３年に私の祖父が創業し、父がその跡を継ぎ、私が３代目として事業を継承しています。
私は小さい頃から祖父に「大工は素晴らしい職業なので大工にならなあかん」と物心がつく頃から言われていたので、子供のころから大工になろうと思っていました。そういった環境もあって、小さな頃はよく現場に行っては遊んだり、掃除をしたり、工作したりと木にふれあいながら過ごし、学校から帰ると現場へと向かうそんな幼少期を過ごしていました。また現場によく行っていたのでお施主様や近隣の方とのつながりも強く、皆さん親戚のような感覚もあり、当時は旅行にも一緒に出掛ける間柄でもありました。まさに家族ぐるみのお付き合いです。
そして、その後は建築の専門学校に進み、大工の修行に８年間従事して２００３年から信楽で大工仕事を始めました。
信楽に帰ってすぐ感じたことは大津で修行していた頃とは比べものにならない冬の寒さでした。ヒートショックなど家にいながら安全でない環境や地震への不安など悩みを持っておられる方も多く、安心で安全な家づくりというのが私たちの使命だと感じました。そして、そのような問題を解決していくうちに昔、祖父の言っていたことが理解できました。
幼少期の経験も踏まえ、私たちは建築を通じて安心・安全、幸せをお届けし、地域の方との信頼関係を築いていくことで「人とのつながり」の中から私たちも幸せを感じることができるすばらしい職業であり、また、地域の人に愛されることが私たちの存在意義なのだと考えるようになりました。今後も家づくりからまちづくりへとつなげるそんな取り組みを行っていきたいと思います。